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一度だけ、暗い話を。

このブログ、なるべくポジティブに書いていこうと思ってたけど、
今日だけ、シリアスなこと書きます。今日だけ今日だけ。
暗い話がお好きでなければ、次のページへ(笑)

昨日、曾祖母の家に行きました。曾祖母は90をゆうに超える長寿で、
なのにいまだに寝たきりにもなっていないパワフルな人。
体の不調を訴えることはあっても、いまだにご健在です。しかも全くぼけていません。
曾祖母は私が行くといつも居間でしきりにお菓子を勧めながら私と話をするのです。
学校の話、従弟の話、妹の話、最近の流行りの話、そして本の話。
そして帰りには、ちょっとした図書館ができるほどの膨大な本の中からいくつかを貸してくれて
私と妹にお小遣いをくれて、「またおいでね」と言って門まで見送って、別れるのです。
そろそろ生き過ぎたと嘆いたり、もうお迎えがきてもいいとつぶやきはじめ、
私が帰り支度を始めるとこころなしか残念そうにして、「またおいでね」を繰り返して、
私が見えなくなるまで見送ってくれる曾祖母に、昨年ほどから私は帰り際に「約束」をするようにしていました。
「次は桜の写真を撮って来ようね」、「次はこの本を借りて帰るね」、「次は何のお菓子を持ってこようか」。
老いたのを気にして家を出なくなった曾祖母に季節を運ぼうと、
その季節の写真を撮り、季節のものを模した生菓子を買い、新刊に目を通して、
曾祖母の家へ向かいます。
それでも片道一時間、しかもうち三十分は歩きという遠さから、頻繁には行けずにいました。

そして昨日、私は前回借りた本と、菖蒲やアジサイの写真と、三種類の上生菓子をもって
曾祖母の家へと向かいました。
曾祖母の家には珍しく、曾祖母の他に、大叔母がいました。
いつも通り居間に座って話をしました。
身長の高い友達の話や従弟の話、妹の話。ワールドカップが始まったことや借りて帰った本のこと。
いろいろな話をしました。
いつもと違ったのは三十分ほど経ったときのこと。
曾祖母は疲れたと、こたつ机(?)を離れて椅子に座りました。
目をこすって不調を訴え、薬を飲んでも効かないのだとこぼしました。
そして「りーちゃんは来るのが遅いよ」と言って目を閉じました。
前回私が訪れてから、もう二か月が経っていました。
つらそうな曾祖母を少し休ませようと、私は借りて帰る本を選ぶといって、
別室に移動しました。ほどなくして曾祖母は私のところに来て、疲れたので少し横になると告げました。
初めてのことでした。ふと曾祖母の腕を見ると、どこにどの血管が通っているか分かるまでになっていました。
彼女が待っている「お迎え」は、そう遠い話ではないのだと、悟りました。
「一時間も体を起こしていると、苦しくなるんだよ」と自嘲気味に笑って、すぐに居間へ戻ろうとする曾祖母に、
私は寝室の床に座って、ゆっくり話をしました。
苦しかった。頭で理解していたつもりだった「寿命」とか「死」とかを、
きっと私は初めて実感しました。5、6歳で祖父を亡くして以来、友人を除いて、
私に親しい人との死なんて訪れませんでした。
祖父の死はもうほとんど記憶にないし、友人の死は突然のものでした。
私は初めて「少しずつ死が迫る恐怖」にふれました。
とても怖かった。曾祖母の呼吸音と時折庭に来る鳥の声と、
母に似てきたという自分のいやに明るい声のなかで、私はただ、恐怖していました。

いつもほめてくれる私の写真は、どれくらいみえているんだろう。
進学をちょっぴり心配してくれる彼女は、私達ひ孫の成人姿や社会人姿を見れるのだろうか。
毎回帰りにする「約束」を、あと何回守れるんだろう。
あと何度、あの家にある何百という本の話を聞けるだろう。
そしてもしもの時、私は曾祖母を看取れるのだろうか。

家に帰って、ただ泣きました。
父が慰めてくれるように、曾祖母はまだ寝たきりにはなっていません。
ぼけてもいません。私の心配は、もっと先の未来かもしれない。
けれど、いつかは来ることを実感して、止められないことを実感して、
時の流れを知って、ただただ泣きました。
本で、映画で、話で、知っていたはずのそれらを、私は初めて知りました。
ショックでした。私が失いかけた命を、彼女に分けたいとさえ思った。
テレビで相撲観戦をして、画面の向こうの力士に声援を送り、
自分の読んだ本について分かりやすく話してくれて、写真を褒めてくれて、
それもこの先ずっとは続かないのです。当たり前だろ、と自分でも思います。
それでも私は本当にはそれを知らなかった。苦しくて、悲しくて、寂しくて、
私は静かに泣くしかできなかった。
そしてもしあの時私が死んでいたら、私の周りの人はこんな思いをするのだと気付いた。
私は高校生にもなって、まだまだガキだった。

もっと頻繁に訪れようと決心して、また「約束」をして帰りました。
次は夏の写真と、暑くても食べやすいものを。きっと、私は届けようと思います。
次の「約束」もして。笑顔で早く会いに行きます。なるべく多く。
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